ごぼうは日本人にとって大事な野菜♪

お正月にお節料理を食べるように、祭りごとや神事と食の関係は深く、日本では独自の食文化が発達してきました。
昆布、大豆、米、人参、大根・・・そして忘れてはいけないのが「ごぼう」です。


(写真)総田十七講(ごぼう講)の膳部の「味噌和えごぼう」と「丸揚げごぼう」(福井県今立国中区)
毎年二月十七日斎行(冨岡典子先生提供)

日本食は、食材自体のうまみを活かした低塩低カロリーで食物繊維が多いのが特徴で、ヘルシーでおいしく美しいということで世界に広がりつつあります。
一方で、今の日本はというと、美味しさを追求し食の欧米化が起きているのはご存じのとおりです。
結果、メタボリックシンドロームが急増し、がんの死亡率統計をみても大腸がんが増加しています。

では、私たちはどうしたらよいのでしょうか?
それには原点回帰、つまり日本食を見直すことが大事だと思います。

日本の食文化を研究されている近畿大学の冨岡典子先生は、著書「大和の食文化」の中で次のように記述されています。

ごぼうは不老長寿の食べ物
-正月の祝い肴「たたきごぼう」の由来を探る-
 
日本の正月節日には、たたきごぼうが数の子・黒豆・田作りとともに祝いの肴の筆頭にあげられ、宮中の正月節会にはごぼうをはさんだ菱花びら餅が供せられる。ごぼうは日常食としても煮物、きんぴらなど種々に料理され、伝統的にハレの日にも日常的にも多く使われる野菜である。-中略-
 そういえば、近畿地方の正月祭事には五穀豊穣と子孫繁栄を祈年して、「牛蒡喰行事」(奈良県)、「牛蒡祭」(三重県)、「ごぼう講」(福井県)が斎行され、ごぼうが神事の中枢を成して、ハレの日の最上の食べ物として大量に消費されている。これらの事例を考えると、年の始めにごぼうを大量に食べる習俗のなかには、この一年、病気を予防し、健康を維持するという栄養・薬用としての効用を得る目的があったと考えられ、日本人が正月のおせち料理に「たたきごぼう」を食べるのは薬効を期待してのことだろう。参考資料:「大和の食文化」p117 著者 冨岡典子先生


(写真)牛蒡喰行事の供え物のごぼう(大豆の汁をかけて)と蓮華餅(奈良県田原本町多)
「大和の食文化」p114 冨岡典子先生提供